授業紹介

特殊メイクアーティストコース+特殊造形クリエイターコース(プロ専科)(2019年度実施)

エピテーゼ

医療現場で活用されるエピテーゼ。
特殊メイクと造形の新たな可能性に触れる

特殊メイクや造形といえば、一般的にはエンターテイメント業界で使われているイメージがありますが、実は医療や製造業でも活用されています。身体の欠損を補うために身につける人工物「エピテーゼ」もそのひとつ。本校の授業では独自に技術を編み出してきた業界トッププロの講師による、リアリティと使い心地を両立したエピテーゼ(指や耳)の製作手法を学ぶことができます。「特殊メイクはエンターテイメントの世界で多くの人を感動させてきた。一方でエピテーゼは1人の人生を大きく変えることができる技術」教員を務める遠藤先生の言葉の通り、新たな可能性を垣間見せる授業の模様をご紹介します。

ここが注目ポイント

  • 1 業界トッププロが独自に培ってきた技術を学べる!
  • 2 人の役に立つ、特殊メイク・造形にチャレンジ!
  • 3 講師と学生の距離が近く、間近でプロの技術を吸収できる!
  • 授業の前にクイズ!

    ← さて、どの指がエピテーゼでしょうか?

  • 授業スタート前は和やかな雰囲気。この日は、海外研修から帰国して初の授業だったため、研修で起こったエピソードで盛り上がりました。

  • 先生を取り囲むようなかたちで椅子を寄せて授業へ。まずはエピテーゼの概要や使用材料の説明から授業がスタート。今回は指を制作します。

  • 先生のデモンストレーション。形取りを行い、オーブンで加熱処理します。シリコンの厚みを微調整するなど、先生が試作を重ねたどり着いたオリジナルの成型方法を伝授。

  • 一番下がオーブンから取り出した指の造形物。爪や特殊メイクを施して、一番上のような完成形を目指します。

  • 次は爪の成型です。筆の使い方や手のポジション・角度など、細やかな動きもひとつひとつ丁寧に説明しながら実演を進めていきます。

  • ノートに書きづらい部分は、スマホで動画撮影。あとで制作する際にそれを何度も見直します。学生たちは、さまざまな角度から先生の手さばきを見つめています。

  • ペイントの実演パートでは、リアルな肌に近づけるために、少しずつ色の調合を変えながら塗っていきます。血管なども忠実に再現。爪を接着する部分にも色付けしていきます。

  • 爪のサイズを整え、ペイントを施し、いよいよ総仕上げ。爪と指の造形物を接着して完成です。

  • 最後の仕上げを全員で見つめます。その出来栄えに一同「すごい」と感嘆の声があがります。

  • エピテーゼを見せながら、先生が学生からのさまざまな質問に答えていきます。チャイムが鳴っても質問タイムが続きました。

  • 答えは「人差し指」でした。

    ← パッと見ただけでは人工物だと気づかないリアルさです。

受講中の学生インタビュー

技術と共に現場マインドも学べる

遠藤先生の授業では技術のことだけではなく、制作用資料の集め方、複数のプロジェクトを並行しながら制作を進めるなど、業界トッププロの先生が実際仕事でやっているやり方を学ぶことができます。なにより先生自身が「失敗して学んで」こられたので、その姿勢も自分の大きな指針になっています。「エピテーゼ」の授業では、先生のすごさのひとつだと思う「リアリティ溢れる肌の再現技術」を間近で見ることができ、改めて衝撃を受けました。また、特殊メイクが医療でも活かされていることを知る機会にもなりました。先生はとても気さくな方で、いつでも相談に乗ってくれます。ご自身の作業中であっても、手を止めて惜しみなく教えてくださいます。
将来は先生のように自分の工房を作って仕事できるようになりたいです。あとは同級生たちと一緒に、学校で学んだことをもとに面白いことができたら、と思っています。そういうことが本当に実現できそうなメンバーなんです。(笑)

本多さん
特殊メイクアーティストコース+特殊造形クリエイターコース(プロ専科)
奈良県立二階堂高等学校出身

講師コメント

特殊メイクは、やってみないとわからないことばかりです。むしろ、うまくいかないことのほうが多いかもしれません。学生たちには、トライして失敗して問題点を明確にして、もう一度やり直して…を何度も積み重ねてほしいと思います。そのため講師陣もすぐに正解を教えたり、安易に助けたりしないようにしています。「エピテーゼ」は、短い施術時間で忠実に再現する力が必要です。まさに特殊メイクと造形を融合させた高度な技術です。お客様と接するにあたり、ヒアリングやメンタルケアなどのコミュニケーション能力も大切です。
まだまだこれからの可能性のある業界です。最近ではエピテーゼをやりたいと入学する学生もでてきました。「特殊メイク技術を活用したエピテーゼ」がもっと定着していくように、みんなで一緒に盛り上げていければと思います。

[プロフィール]
独学で特殊メイクを学びはじめ、高校2年生の時にCMではじめてメイクの仕事に関わる。その後、本場ロサンゼルスで高い技術を習得しながら自らの道を切り開く。現在は国内海外問わず有名な映画やTV、テーマパーク等の特殊メイク・造形を手がけている大活躍中のまさに業界トッププロの先生です。
実績「進撃の巨人」「ハリーポッター」「スパイダーマン」「ターミネーター」CF(コマーシャル フィルム)など多数

遠藤先生

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