華やかなステージに立つその瞬間まで「癒し」で支えたい。
それが私のヘアメイク。
フリーランス(韓国)
天野さん
ECCアーティスト美容専門学校
ヘアメイクアーティストコース （3年制）2024年卒業
兵庫県立松陽高等学校出身
卒業後すぐに韓国へ。K-POPアイドルのヘアメイクアーティストに。
現在、韓国に在住。アイドルのヘアメイクとして活動しています。アイドルのヘアメイクに興味を持ったのは学生時代です。アイドルを応援していた友人や妹が、彼らから元気をもらい、心救われる姿を間近に見て「なんて素敵な仕事なのだろう」と感動。偶然にも時を同じくして「好きなメイク」を研究する授業を通じ、激しいパフォーマンスにも負けない完璧に作りこまれた「K-POPアイドルのメイク」に惹かれていることに気が付きました。尊敬するアイドルを、私が大好きなヘアメイクで支えたいと考え、この道へと足を踏み入れました。
写真：韓国での撮影風景。
「こんなに好きなら頑張って」反対していた両親を説得してくれたE-コレ。
美容学生になりたいと伝えると、大学進学派の両親は大反対。何度も家族会議を開きました。自分で願書を提出したことで「本気なんだね」と応援してくれました。ところが就職活動で「韓国で働きたい」と伝えたところ、父はもっと大反対(笑)。そんな時、両親を卒業制作発表のE-コレに招待しました。ショーの本番で仲間と作り上げた舞台を見た父は、「ここまで来たら、好きなことをやったらいい。よく頑張ったね」と言ってくれたんです。父がヘアメイクの道を認めてくれて、本当にうれしかったですね。今も仕事の様子をたびたび連絡しています。
写真：韓国へ発つ時。空港まで見送りに来てくれたECCアーティストの同期たち。
人と同じ努力では意味がない。不安をエンジンに走り抜けた学生時代。
学生時代、誰よりもインターンに参加しました！原動力になったのは「不安」です。自分の技術面に自信が持てない、でも絶対にヘアメイクになりたい。ならば人と同じ努力では意味がないと思い、現場経験を最優先に行動しました。先輩の紹介された現場にも全部参加。人脈が広がり、今も仕事に繋がっています。経験の数は、私を成長させてくれました。とはいえ、まだまだ勉強の日々。でも楽しい毎日です。
写真：仕事仲間と楽しい日々。
厳しい世界だからこそ、私は大好きなヘアメイクで支えたい。
韓国でお世話になっている方に、ブライダルのヘアメイクをご紹介されたことがあります。「芸能界は華やかさの裏に厳しさもある。天野さんには明るい環境にいてほしい」と私を心配して下さいました。たしかに様々な面を持つ業界ですが、私は体調が悪くても、ステージに上がり続けるアイドルの姿を間近で見てきました。厳しい世界だからこそ、私と過ごす時間だけは癒しを届けたい。私が大好きなヘアメイクで支えたいと、自分の意志が強く固まりました。あるアイドルの方から「天野さんのメイクが僕の宝物になりました」と言われた時は、うれしくて涙が出ました。「心のケアもヘアメイクの仕事」。私が心がけている言葉の１つです。
写真：いっしょにお仕事した方々からのプレゼントのブレスレット。天野さんの宝物だそう。
ヘアメイクの夢を追えている今、すごく幸せ。
もしヘアメイクじゃなかったら。韓国に行くこともなく、性格も違った気がします。ヘアメイクはとにかく頭を使うことお仕事。違う道に進んでいたら、今ほど深く考えることなく、何となく生きていたんじゃないかなと思います。不安もまだまだ多いけど、今は夢を追えていることがすごく幸せです。メインで呼ばれても、アシスタントで呼ばれても、「チームの一員として絶対にいいものにする」という責任感で仕事に向き合っています。自然とやるべきことが見えてくるので、大切にしていることの1つです。これからも誠実に、技術を高めて、アイドルのみなさんの癒しになれるように頑張ります。
写真：先日一時帰国の際に本学にて座談会を開催した様子。現地の様子を高校生のまえでお話しいただきました。